
向かいのお兄さん
第37章 限界
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《―――もう、待ってるのはやめた方がいいね》
『え…』
あたしは携帯を握りしめた
椅子の脚にしがみつく足の指に、力が入る
『…つまり…?』
《強引にでも、直也と話を済ませた方がいいってこと》
突然かっちゃんから電話が掛かってきたかと思うと
直也のことについて話してくれたのだ
何があったのかを詳しくは言ってくれなかったけれど
今あたしが何をすべきか
と言うことは、率直に述べてくれた
もう、カーテンの隙間から見える外も真っ暗だ
こんなにモヤモヤした気持ちを抱えた夜は、これで何日目だろう
『でも…話すって何をですか…?』
《そりゃあ…美咲ちゃんが言いたいことでいいんじゃない?》
あたしが…
言いたいこと…
