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向かいのお兄さん

第39章 元通り





『直也、直也』




「何だよ…!?」




かっちゃんから目を離さない直也の服を、くいくいと引っ張る




『かっちゃんとあたしは、別に何もしてないよ』




「え?」




驚いた顔がこっちを向くと、また笑えてきた




「別に俺、美咲ちゃんとヤったとは言ってねーじゃん」



「はあ!?」




文句がある

わけでもなく


直也はほっと息を吐いた






「何だよ、嘘かよ…」




「おう。あ、でもキスはしたわ」


「はああ!!?」




一瞬直也は唖然としたが


「ちょ…だめじゃん!!」


直也なりのだめ

らしい




あたしは直也にかっさらわれて

あたしの家に入った





その途中、かっちゃんは指でOKサインをあたしに示した



たぶん




かっちゃん、あたしらのために、頑張ってくれたのかも





あたしはかっちゃんに、笑顔で応えた











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