テキストサイズ

向かいのお兄さん

第45章 寒そうだから





「ところで、美咲は何しに来たわけ?」



直也に言われ、あたしは本来の目的を思い出した




『そう、そうそう、それそれ』


"そ"を連発しながら、あたしはどこかに落としてしまった紙袋を探した




『…あれ?』




どこにも


ない





『あれー!!??』



ろくに探してもいないのにパニックになるあたし


四つん這いになりながら、部屋を何度も何度も往復した






「…何してんだよ」




『な…ないの…持ってきたのに…!!』




「はあ?何を」




『それは…』




と、振り返ると


あたしが持ってきた紙袋は、雅也さんの膝の上に乗っていた



あたしが見つけたことに気づいた雅也さんは、満面の笑みを浮かべた





「探し物はなんですか~♪」











ストーリーメニュー

TOPTOPへ