
向かいのお兄さん
第45章 寒そうだから
『返して下さい!!』
「人聞きが悪いなぁ、奪ったつもりはないのに」
あたしが手を伸ばすと、雅也さんは紙袋を遠ざけた
代わりにあたしの腕を掴み、ぐいっと引き寄せる
『んな…!!///』
「一所懸命になっちゃって…よっぽどあの紙袋の中身が大事なんだねー」
『違っ…///』
油断したあたしは
不意打ちのキスをくらった
『んぎゃぎゃぎゃぎゃー!!!///』
「雅也てめぇ…!!」
直也はガタンと立ち上がると、雅也さんの胸倉を乱暴に掴んだ
そのまま、直也と雅也さんで睨み合いになる
「おやー?
直也くんはそんなに怒りっぽい子だったかなー?」
「るっせぇよ…それ以上いらねーことしたら、ただじゃおかねぇからな」
『…』
確かに…
直也、何だかすっごい怒ってる…
