
向かいのお兄さん
第45章 寒そうだから
『直也…お兄さんいたんだ』
「うん…」
全然、嬉しくなさそうだ
『仲悪いの?』
「知らねー」
仲が悪いと言うよりかは、
直也が一方的に嫌っているという印象を受ける
あたしは一人っ子だから、兄弟ってよくわかんないけど…
『お兄ちゃんがいるって、いいじゃん』
「よくない。消えればいいのに」
ああ…
今の直也、冗談で言ったわけじゃないな…
本心だ…
これ以上雅也さんについて喋るのは良くないと思い、話を転換させようと考えた
するといきなり
直也が横から、覗き込むようにキスをしてきた
『ん…///』
前から掛かる重みで倒れないよう、あたしは後ろに手をつく
直也も
あたしの頭を支えてくれた
