向かいのお兄さん
第47章 記憶にない記憶
『…あれ?』
通り過ぎようとはしたものの、独り言を呟いてしまうほど、やはり気にかかった
なぜかは
わからない
でもこのまま、大学が終わってからまた見に来るっていうのは
正直、待てない
あたしは車を近くのコンビニに止めて
その小学校の校門前にまで歩いた
『…』
所々、塗装の剥がれた校舎
中からは子供の楽しそうな甲高い声が聞こえた
『…んー…』
この学校は、あたしの母校だ
だからかな
急に気になったのは…
その瞬間
目頭がキンと痛くなった
思わず目をつむって、指で押さえ付ける
『…』
気分…悪いや…
少しフラフラとしながら
もう一度車へと戻った
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