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向かいのお兄さん

第55章 あたしのお兄さん




『…』



直也の鎖骨を、指で撫でてみた

くすぐったそうに微笑んで

撫でていたあたしの手を握ってくる





「どうしたの?」




『ううん…』






時々、寂しくなる




いつも最高の幸せを感じている気がして

それがもし崩れたら…


なんて考えると


キュウッと世界が狭くなる







「いるよ…」




『え?』





「俺はここにいるから…」





ギュッと握った手に


さらに力が入った









あたしも負けじと、強く握り返す











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