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向かいのお兄さん

第55章 あたしのお兄さん




あたしの向かいで


あたしの方を向いて寝そべる



直也…





「なんて顔してんだよー?」





『だって…』






ずっと続いてくれればいい



二人並んで


こうやって時間を掛けていける時間が


続いてくれればいい







「美咲ってほんと、泣き虫」




『だってぇ…』







朝起きて


それぞれの昼間を過ごして



帰って



キスして



寝転んで




キスして




おやすみって言って





また朝起きて…





ときどき出かけて


まだ知らないあんたを見て



嬉しさで満たされて




また帰って…









『直也のこと…もっともっと、知りたいよ』




「聞かせてあげる。
だから美咲のことも、聞かせて…?」






ゆっくり ゆっくり



時間を掛けて









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