 
向かいのお兄さん
第57章 共に歩んで
近すぎて
直也の表情がわかんないな
「ずっと、ずっと一緒にいることが、俺の夢」
軽く、ほんとに軽く
キスしてくれた
『…へー…』
「あれ?ちっさい?」
直也はちょっと、首を傾げた
『ずっとって、どれくらい?』
「ずっとはずっと」
『わかんないよ、直也頭いいんだからわかりやすく言ってよ』
「一番わかりやすい言い方っしょ?」
直也、笑ってた
『わかんないってば、全然わかんない』
「えー…だって他に言い方ある…?」
『あ、たしは…ね…家族旅行とか、年に一回は行きたいって思ってるの』
「うん」
『クリスマスとか、お、ぉお正月とか、イベントごとは大事にしたいの…』
「うん」
『あたしが作ったご飯とか食べて…、おいしいって言ってくれる旦那さんや子供に囲まれっ…たいの』
「なんだ、美咲もあるじゃん、めちゃくちゃでっかい夢」
ばかやろー
『まだ…全部言い切れてなぃ…のに…バカぼけ…』
ポンって
直也の胸を叩いたら
あっけなくあたしの手首は掴まれてしまった
 
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