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向かいのお兄さん

第57章 共に歩んで




そのまま引っ張られて


直也の中にすっぽり収まった









「美咲が大学卒業したらさぁ、俺、美咲を迎えに行ってもいいかなぁ?」






お気楽野郎


声が


もうお気楽野郎だ





『何で…聞くゎけ…』



こっちはね


もうね


死にそうなんだぞ






「何でって…わかんないけど」





何で死にそうなのか、自分でもわかんないのに





「あ、そう、だからさ…」





直也は



あたしの左手の薬指を握ってきた







「ここ、あけといてな?
俺早く稼いで、指輪はめたいから」






にこって


笑うんだ





照れる様子も全然見られないから


すごくずるいって思うんだ




『ぅん、バカ…あけとくけど、早くしてよね…あたし、早くしないと、先約できちゃうかもしれないからね…』



「あ、その様子だとしばらくは大丈夫そうだな。
俺もゆっくり稼いでゆっくりどんな指輪にしようか選ぶわ」




『だから、バカかお前っ、も、意味わからん、何でこんな暗いとこで、こんな、大事な話…』



「美咲だからいいかなーって」




『ほ、んと、しね、あほボケ!』




「大好きとしか聞こえない」






『ばかやろおおおお!!!///』












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