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願わくば、いつまでもこのままで

第10章 後悔





「比奈ちゃん。座ったら?」


呼ばれて振り返る。




目の前にあるのは陽君の姿。






とめどない罪悪感を表しているのか


涙がぼたぼた溢れてきた。





罪悪感

そりゃ湧くだろう




裏切った相手は
命の危うい状態にあるのに


私の本当に愛しい人は

元気な姿で目の前にいて

その大きな手で私の頬を包み涙を拭ってくれる。




あたたかい



あたたかい陽君の手




ああ、本当に私は……







私は陽君の手をとり離す。




彼の瞳は暗く沈んでいる。


和君か
私か
どちらもなのか

心配してくれているのだろう





後悔しているだろうか


私と一緒に外に出たこと

恋に落ちたこと




後悔すべきなのかもしれない

本当は







私は隣に座る陽君の横顔を
さりげなく、そっと見つめた。





後悔するべきだろうけど



ごめんなさい


認めてしまった想いを

無視することはできない…













私は陽君のことが好き







好き




陽君と一緒にいたい






ごめんなさい



和君





がんばって



はやくもどってきて







はやく話がしたいの















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