
願わくば、いつまでもこのままで
第10章 後悔
この扉の向こうに
あの人はいる
和君はいる
そう思いながら
重い大きな手術中の扉を見つめていた。
和君は帰り途中だったのだろう
見かけたことのある同僚の人が
事故のとき
跳ねられた彼の身体を揺すぶっていた。
私と陽君が2人でいた
その近くで和君は事故にあった。
はたしてこれは偶然だろうか
ただの事故だろうか
ちがう
ちがう
和君は私たちの姿を目撃した。
そして考えたのかもしれない
気づいたのかもしれない
嫌…
嫌だ…
…なんてことだろう
この事故を起こしたのは
私だ
