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願わくば、いつまでもこのままで

第11章 邪魔者が一人





コン コン


…………



「入るよ」



ガラッ






返事がないまま扉を引き

病室へ入る。




風を感じて
一瞬、目をつむった。



閉じたまぶたがあがる。




和君はベッドに横たわりながら

開いた窓か
その外か

窓の方へ顔をむけていた。






「……風寒いでしょ
身体にこたえるわよ、和君
窓閉めるね」






タオル……手土産……
補充しに持ってきたものを

ベッドの横の棚の上に置き

窓に近寄る。






「や……いい」




振り返ると


彼が包帯のまかれた、その頭を
小さく振っていた。





「そう」



といっても
私が寒いのだけど……

仕方ないか

我慢しよ










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