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願わくば、いつまでもこのままで

第3章 抽選

朝御飯を食べた後も時間はけっこう残っていたため

俺はバイクを走らせ

いつもよりも早く大学についていた。




大学の敷地内

大学に繋がった小さな林の入口に
何個か置かれたベンチ

俺はその2番目のベンチをいつも愛用していて
今日もそのいつものベンチに深く座って
頭に上着をかけて寝ていた。


「ねぇ、泉ー?」

「……」

「ちょっと起きなさいよ泉ー」


かすかに肩を揺さぶられる感覚

……誰だよ……まだねみぃ…

俺は無視して寝ていると
そいつは被せておいた上着をはぎ取り
大声で言った。

「いーずーみー!!起きなさーい!」

「……なん…だよ…」


目を開けると
人の影とその後ろからの木漏れ日が見えた。

だんだんと意識がはっきりしてくる。


「なんだ……園田か」

「なんだってなによ、起こしてあげたのにその言い草は酷いんじゃないの?」

「はいはい、上着返して」


そう言って手を出すと
俺の態度に苛ついているのか
園田は上着を俺の頭に投げつけた。

バフッ

こいつ、見かけによらずガサツなんだよなー…


園田美恵、俺の大学の女友達?知り合い?だ。

見た目は黒のロングという髪形でモデル並の綺麗さ。
だが性格はガサツで負けず嫌い。
そのギャップもあって大学内でも評判なのだが…

俺はそれ程好きでもない女だな。



「ちょっと何やってんのよ泉!授業が始まるから起こしてあげたのに、もう時間ないわよ!私先行くから」

そう行って園田は早々と行ってしまった。

「えっやば……!!」

腕時計を見ると、あと3分。

3分って、無理だろ……!

俺はすぐさま走り出した。

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