
願わくば、いつまでもこのままで
第8章 変化
合コンが始まったものの特にやる事もなく、基本席が向かい同士で話していた。
豊田が瀬河と
梶木が日野と
そして俺が佐倉田と。
酒を飲み、適当につまみながら
他の2組が楽しそうに話す中、俺は一方的に話す佐倉田に少し相槌をうつ程度。
「ねえ泉くん、私の話聴いてるぅ?」
「んー」
ぷくっとわざとらしく頬をふくらます佐倉田は、いきなりパッと顔を明るくさせた。
「ねえねえ泉くん、今日の私可愛い??」
「んー」
「ねえねえ泉くん、この服似合ってるかな?」
佐倉田は服の裾を持ち服と俺を交互に見る。
「んー」
「ねえねえ泉くん、私と付き合ってくれる?」
「やだ」
俺は佐倉田を見る。
こんなことに引っかかるわけないだろ、と。
「ちぇっ、引っかかると思ったのに」
佐倉田はペロッと舌を出す。
俺はこの女のこういう媚びた仕草も嫌いだ。
「お前さ、よく俺の前に顔出せたな」
「えーっ、だって好きなんだもんっ」
嘘つき、と心の中で呟く。
本当に好きな相手に
ストーカーなんて、しないだろ
