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願わくば、いつまでもこのままで

第2章 はじまり

俺達兄弟に父親はいなかった。
つまりは母子家庭だったわけだけど、

俺が中学、兄貴が高校生だった時に




母さんは死んだ。


運転手の不注意による交通事故。よくある話だ。


もちろん凄い悲しくて、俺は葬式中ずっと泣いてた。
涙が溢れて止まらなかった。
一方兄貴は一筋涙を流しただけで、強い目をしていた。

多分兄貴は早くにわかってたんだ。

悲しんでる暇はないということを。


それから兄貴は本当に頑張った。

俺と2人で生きていくために、暮らしていくために。

親戚からの生活援助もあったけど、
バイトでほとんど毎日働き詰めで
それでも兄貴は優秀だったから勉強もしっかりしてた。

俺も高校に上がってすぐバイトを始めた。


兄貴はいい会社に入るために
敢えて大学に行き、就職した。

俺は大学に上がって独り暮らしを始めた。
兄貴から生活援助してもらい、自分でもバイトをした。


離れて暮らしてからも俺達兄弟は仲が良かった。
協力して2人で暮らしてたのだから、他より人一倍絆が深いと思う。



それに、俺達は似ていた。
不思議な程ある部分が似ていたんだ。




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