
願わくば、いつまでもこのままで
第2章 はじまり
むしろそれは不思議というか変に思えることだった。
俺と兄貴は4つ離れた兄弟だ。双子じゃあない。
それなりに仲も良く、たまには喧嘩することも。
ごく普通のそこら辺にいる奴らと変わりない兄弟だ。
だけど1つだけ。変に思える程、似ている部分があった。
双子の様に見た目に関することじゃない
むしろ中身。
俺達兄弟は好きになるものがほとんど一緒なんだ。
最初は食べ物の好き嫌いから
完全とは言えない、だけどほとんど一緒だった。
他にもいろんな好きなものが同じだったけど
100%絶対に同じになるのは1つだけ。
それは
好きな人。
最初は兄貴の中学の初彼女。
彼女には妹がいて4人で遊ぶことがたまにあった。
中学と小学。
大人ではそうでもないが、子供には大きな差。
でも俺は見事にその兄貴の彼女を好きになった。
それが俺の初恋。
次は2人同時に出会った高校生の家庭教師。
塾代わりの家庭教師だった。
だんだん接していくうちに好きになったけど
同じように兄貴も好きになってるのが生活しててわかった。
その後も変わることなく兄弟同じ人を好きになった
けど
俺はいつでも身を引いた。
兄貴が「あの人を好きになった」との報告に
俺もだよ、だなんて言えなかった。
だから兄貴は俺達兄弟がいつも同じ人を好きになってただなんて知らないだろう。
だからといって別に俺が彼女がいなかったことはない。
兄貴の知らない所で彼女をつくって
絶対に兄貴には会わせなかった。
それ程、俺はこの事に確信を持っていた。
