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「おかぁしゃーん…ぅっく…おとぉしゃーん…」





夕暮れ時




全てがオレンジ色に染まっていた






「どうしたの？」





俺の膝元程しかない男の子は


涙をめちゃくちゃに拭きながら言った



「おかぁしゃぁん…」







「名前、何て言うの？」






「さぃとぅ…たぃし…グスン」





「斉藤…大志？
そっかぁ…大志は男の子でしょ？泣いたらだめだよ」








「…ぅん…グス」







オレンジ色に染まる世界は






俺もこの子も


オレンジ色に染め上げていた