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2人乗り

第3章 付き合ってんのに片思い

翌日、いつものように

アキラの通う学校の裏門へと

自転車を走らせた。




今日はゴタゴタしていて
ちょっと遅れる。


と、アキラにメールしてある。


遅れた時間を取り戻すように
俺は汗ばみながら
自転車を早めにこいだ。



裏門が見える所まで来ると
アキラが
他の学校の生徒と
話しているのが見えた。




なんだぁ?あいつら!




アキラは、モテる。




裏門に、
アキラの帰りを待ち伏せする
他校の男子が
時々やって来るんだ。


アキラは
声をかけられない限り
完全無視を決め込むけど
話をしてるってことは
声かけられたんだな…





俺は自転車を
できるだけアキラのそばにつけ

「アキラお待たせ。どーした?」

と、デカイ声で話かけた。




アキラは振り向き
ホッとした顔で俺をみた。



それから、


「付き合ってる人がいるから

ごめんなさい」


と、ヤツらに言ったアキラは

ヤツらに軽く頭を傾げてから

「行こっ」と、

俺を見て笑った。




ふふん

アキラは俺の彼女なんだぜ!




俺はアキラと

自転車をこぎはじめた。




「アキラ、コクられたのか?」



「あ~…ま、そんな感じかな」



「アキラはモテるからな~」



「そんなことないよ」



「あれが

アキラの彼氏かよーとか

ヤツらに思われてんだろな~

(笑)」




「なんで?」




「俺、カッコ悪いじゃん(笑)」




「カッコとか…関係ないし…」



「ん?」



「なんでもない」



ま、いいか。

アキラは、俺の彼女なんだ。




ざまーみろ(笑)





アキラは

今日も颯爽と自転車をこぐ。



髪とスカートが

風になびく



細い足にハイソックス。

お前、スカート短くないか?



やたらと色んな事が

気になって仕方がない俺



俺の頭の中は

アキラでいっぱいなんだ






ため息が出るほどに…


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