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2人乗り

第3章 付き合ってんのに片思い



今日は
あんまり時間がない。


アキラは早く
帰らなきゃならないんだ。


だから今日は
神社で少し話をしてから、
アキラを
家まで送ることになった。





神社に自転車をとめると
いつものように


俺はアキラの手を握った


アキラを引っ張るようにして
神社の裏へと向かい


石の上に腰をおろした。







もちろん、手はつないだまま。





アキラも

俺のすぐ隣に腰をおろし

俺を見上げた






それから


「嫌じゃないからね」


と言って

握ったままの手を上げ

俺にニコッと

笑って見せた。







「よかった…」







俺はそう言って

両手でアキラの右手を包み

自分の膝の上に置いた。





その手を

俺はじっと見つめた。





「アキラ、俺さ……

アキラが…俺のこと

好きって言ってくれるまで

何もしないから。



だからさ…



だから…






手だけは俺の握りたいだけ



握らせてくれよな…」







アキラからの

返事はないまま




時間だけがどんどん

過ぎていった。




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