スコアワールド
第8章 Eine kleine Nachtmusik
「ん……?」
どこからか柔らかな音楽が聞こえてくる。
ちょうど朝の微睡を覚ますのにも役に立ち、俺はゆっくりと体を起こす。
「ふぁぁ……。」
あくびをひとつしてから音が聞こえてきたほうを見る。
その音は窓の外から聞こえてきているようで俺は気になりそっと窓から外をのぞいてみた。
窓の外は小さな庭のようになっていて、そこに二人の人物が並んで楽器を弾いていた。
二人の内小柄な方が引いている楽器に見覚えがある。
あれは…確かバイオリンだ。
ここにも楽器があるということに驚きつつもその音楽にじっと聞き入る。
現実世界ではほとんど耳が聞こえなかったため、こうして音楽を聴くという体験は初めてだ。
そんな思考をしている間にも音楽は続き、10分ほどしたところでようやく終わりを告げた。
ぱちぱちと思わず拍手をしてしまう。
いきなり拍手が聞こえてきたことに驚いたのだろうか小柄な方の人影が肩を震わせる。
「いい音楽だったよ。」
窓から身を乗り出しその二人に声をかける。
「聞かれていたのですか……いやはやお恥ずかしい。下手な演奏でお耳汚しをしてしまい申し訳ありません。」
「そんなことないさ。こっちこそ勝手に聞いて悪かったな。」
「いえいえ。お聞きくださりありがとうございました。」
丁寧に頭を下げる青年。
死神と同じような黒い服を着ているが、この青年の黒はどこか安心する色だ。
どこからか柔らかな音楽が聞こえてくる。
ちょうど朝の微睡を覚ますのにも役に立ち、俺はゆっくりと体を起こす。
「ふぁぁ……。」
あくびをひとつしてから音が聞こえてきたほうを見る。
その音は窓の外から聞こえてきているようで俺は気になりそっと窓から外をのぞいてみた。
窓の外は小さな庭のようになっていて、そこに二人の人物が並んで楽器を弾いていた。
二人の内小柄な方が引いている楽器に見覚えがある。
あれは…確かバイオリンだ。
ここにも楽器があるということに驚きつつもその音楽にじっと聞き入る。
現実世界ではほとんど耳が聞こえなかったため、こうして音楽を聴くという体験は初めてだ。
そんな思考をしている間にも音楽は続き、10分ほどしたところでようやく終わりを告げた。
ぱちぱちと思わず拍手をしてしまう。
いきなり拍手が聞こえてきたことに驚いたのだろうか小柄な方の人影が肩を震わせる。
「いい音楽だったよ。」
窓から身を乗り出しその二人に声をかける。
「聞かれていたのですか……いやはやお恥ずかしい。下手な演奏でお耳汚しをしてしまい申し訳ありません。」
「そんなことないさ。こっちこそ勝手に聞いて悪かったな。」
「いえいえ。お聞きくださりありがとうございました。」
丁寧に頭を下げる青年。
死神と同じような黒い服を着ているが、この青年の黒はどこか安心する色だ。