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スコアワールド

第9章 Quest

鋭い音を奏でながら、剣先は喉を貫いた。

「――――――!!」

パキリ、と。
断末魔すら許さず、その姿は光のかけらとなって散った。

「……結局、僕たちがやってしまいましたね。」

苦笑しながら、こちらを振り返るナハト。

「まあ、クエストはまだありますし、じっくり力をつけるとしましょう。」

呆然とする俺の肩を軽くたたき、ナハトは出口へ歩き出した。





「はぁ……。」

もう幾度目かもわからないため息がこぼれる。
ため息が風にさらわれてゆくのをぼんやりと感じながら、俺はもう一度ため息を吐いた。
見上げる空には月どころか星の一つも映らず、厚い雲に覆われている。
頭の中では取り留めもない思考がゆらゆらと漂う。
それは今日の戦闘のことだったり、死神のことだったりするのだが、今一番考えているのは一緒にこの世界に来たと思われる少女のこと。

「渚……。」

どうも彼女のことが気にかかる。
記憶の中を探っても彼女の姿は見当たらない。
だが、彼女が学校に転校してくる前に、俺は彼女に会ったことがある気がする。
気がする、というだけで確定ではないのだが。

ポツリ、と肌に何かが当たる。
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