無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

そう言うとクライネは店員を見たまま黙ってしまった。
どういう意味か分からないままでいると店員が食事を手にこちらに歩いてきた。

「和食定食でございます。」

「ありがとうございます。ところで、お手洗いはどちらに？」

「この通路の突き当りです。」

「ありがとうございます。」

そう言って会釈をして、店員は立ち去って行った。

「今の会話が何なんだ？」

「まだ……。もう少ししたら、分かる……。」

「すみません。」

ナハトが手を挙げ、店員を呼ぶ。

「すみません。お手洗いはどちらに？」

「え？」

「それと、店員さんは何というお名前ですか？住所は？電話番号を教えていただいても？」

「お、おいナハト……。」

「お手洗いはこの通路の突き当りです。その他の質問に関しては申し訳ありませんがデータにありません。」

「そうですか。ありがとうございます。」

「これで……分かった……？」