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「なるほど……。」

ナハトが軽くうなずく。

「悪いな、こんな情報しかなくて……。」

「いえ、ありがとうございます。話していただいて……。」

「力になれなくて悪いな……。……あ、そういやもう一つ情報にはならないかもしれないけど思い出したことがある。」

「……なんですか？」

「えっと、俺は殺される前にあいつの面を叩き割ったんだ。」

「よくそんなことできましたね……。」

呆れたように言うナハト。

「で、そのあとすぐにやられたからちゃんとは見れなかったんだけど……。」

あの時のことを思い出す。
頬を伝う血の跡と共に深い闇色の線……。

「死神は黒い髪をしてた。……もちろんやられる寸前だったからちゃんと見たって保証はないけど。」