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【リレー小説】ルイーダの酒場 4

ドラクエの世界観でオリジナル二次創作をリレー小説で書いてみませんか?
ドラクエの世界観なら、どんな物語でもOKです。
ただしドラクエの世界を楽しむためにも脱線しすぎにはご注意ください。

《ルール》
*ドラクエ好きなら、誰でも参加OK
*初めましてなどの挨拶はなし
*基本は三人称(場合によっては一人称もあり)
*前の人の文章を読んで話を繋げる
*順番は決まってないので、被った場合は先に書いた人の文章を優先する。またはうまいこと繋げる。

【登場人物】
ムト(盗賊→勇者)
パーム(マジシャン→魔法戦士)
レミファ(遊び人→賢者)
イワハシ(商人→武闘家)
カズマ(忍者)
ヤス(魔物系YouTuber)
ヒロ(魔物系YouTuber)
サチ(ヤスの妻、ヒロの母)
トロル(テヘペロ)
はぐれ爆弾メタル岩(クランチ)
キメラ(つばさ)
ベビーパンサー(はやて)
カネミツ(ダーマ神殿の大神官)
トムじいさん(ピチピチギャル)
ピノ(過去から来た少年)
黒井光邦(別の星の勇者オカマ)

http://otona-novel.jp/viewstory/index/37171/?guid=ON
4 地鳴りが始まって数分。
壁に入ったヒビが、みるみるうちに広がっていく。
その場にいた誰もが、持続する不快な低音に眉をしかめ、恐怖を感じた。

「地震じゃないんだったら、何だってんだ? 頭の中がミックスされそうな気分だぞ」

声を震わせてムトが尋ねる。

「あたしも酔ってきたみたい、気持ち悪~い。
ねぇ、王様。これは、魔玉の力なのぉ? どうしたら、止まるのぉっ?」

「む~? エレレレレ~」

「うがっ (大変だっ、王様が吐いちゃったじょ)」

王様を介抱しているうちにも、地鳴りは続く。
ムトは体がグラグラと回っているような気分になって、よろめいた。

「くっ。やっぱ、ここは脱出するしかないっ」

「でもぉ…」

レミファは、倒れている光邦の腕を引っぱろうとしたが、重くて動かせない。

「カマ勇者なら、きっと大丈夫だ。こいつが想像をはるかに越えて強いのは知ってるだろ?
最優先は、ぱ……王様だ! 王様を守るのが俺たちの使命。だから、一時退却だ!」

「そ、そうね。黒帽子のマスク男と神父さんも気がかりだわ。ってことで、カマ勇者、また会おうね!」

「レミファ、急げ!」

*
5 ムトとレミファ、王様をおんぶしたテヘペロは走りだす。

「ま、待って。私は、ただのオカマのダンサーよ。助けて……」

光邦の弱々しい声は、もはやムトたちには届かなかった。
魔玉に力を吸いとられたために、立つこともできない。

「んもうっ。力が出ないのは、この背後霊のせい?」

光邦はいまいましげにシャドーを睨みつける。
だが、シャドーは、悲しげに魔玉をつんつんしていた。

それを見た光邦は、シャドーをあわれに思って励ましにかかる。

「もう、バカね!
よくわからないけれど、あんたは、私とズボズボタイムを過ごしたダーリンたちとの愛のメモリーなんでしょう? 素晴らしい存在じゃないの!
汚いなんて、これっぽっちもないわ!

さあ、自信をもって、私の体にちゃっちゃとお戻りなさい!
そして、戻ったら、主人である私の言うことをしっかり聞くのよ? いいわね? ほら、気合い入れるわよ!」

光邦は大きな息をひとつしてから、ありったけの力をふりしぼって、自らの尻穴をびろーんと広げた。

すると、シャドーが……シャドーがつついていた魔玉ごと、光邦のケツにシュルルルンと吸いこまれていった。

*
6 「っあぁんっ!……最近、入れるばっかだったけど、たまには、入れられるのも悪くないわね」

意味不明に悶えたあと、光邦はすくっと立ちあがる。

「よしよし、力がわいてきたわ。で、あんたはどうするの?」

シャドーと一体化した光邦は、横で身じろぎもしないキング爆弾岩に目を移した。
その時だった。

「え? ちょっと、ちょっとぉーー!」

ガゴグワッシャーン!

光邦の悲鳴とともに、凄まじい音をたて、またたくまに城は崩れてしまった。

城の倒壊と同時に舞いあがった大量の埃が、何千里も遠くまでをのみこんでいく。

夜がきても、埃はざわめいていた。
そして、数日後。

立ちこめていた埃は、次第に薄れていく。城のあった場所に残ったのは、巨大な瓦礫の山。

そこに、生物の気配はなかった。
瀕死の魔物なら、いたかもしれないが……。

冷えた空間に、タタタと文字が打ちだされる。

『パーティーは、全滅しました?』

──あれっ、ハテナがついてるぞ?

誰もが疑問に思ったその瞬間、かすかに物音が聞こえた。
岩のきしむような小さな音……。

「メ」

「メメメ……」

「メガ…ザ…ル………!」

*
7 その声が聞こえるやいなや、瓦礫の中から一人、また一人と次々と蘇るゾンビのごとく、町の人々が姿を現した。

その中にはもちろん、ムト達の姿があった。
「ここは? え、俺……生きてるのか?」
巨大な城が崩れ、近くの町も瓦礫にうもれ、大勢の人達が、その犠牲となったが、どういうことか誰一人として、命を失っているものはなかった。
「あれ、王様は? レミファ、テヘペロ……あと、あいつ誰だっけ?」

「光邦よ! 忘れないでよ!」

そこに、まったくの無傷の光邦が声を上げる。

「あ、オカマ! 生きてたのか」

「私は、いきなり尻から変な黒いのが出てきてそいつを盾にしたからなんとか生きてたわよ。私、あんな変な寄生虫を尻に飼ってたの?」

どうやら、光邦はシャドーという存在のことを忘れているようだ。

真相は言わないでおこうと、ムトは決めた。

「魔玉の力が、発揮されたのじゃな」と言ったのは、腰に布を巻いただけの王様だった。

「王様! 生きてたのか」

「魔玉はメガザルの力をもっておる。玉は崩壊したが、町の人々達の命も蘇らせたようじゃな」
8 「魔玉って、こんなすごいアイテムだったのぉ?」

「うが~ぉ」

レミファとテヘペロは、瓦礫の山やよみがえった人々を眺めながら放心したようにつぶやいた。

その横で、ムトは快活に笑う。

「魔玉はなくなったけど、助かってよかったな。王様!
さあ、アリアッハーンに帰って『ぱへリゾート』だ! もちろん、ぱリパ(ぱへリゾートパスポート)も発行してくれるよなっ?」

気力に満ちあふれたムトは、力強く王様のほうへ振りかえる。

が、ムトが目にしたのは、ひらひらとはかなく空を舞う王様の腰布だった。

「ちょっ、え? 王様、まさか……ケツ丸出し再びかよ」
9 ムトの言葉を聞きつけた光邦は、目をギラリと光らせる。

「ケツ丸出しキングですって? どこなの? どこなの? 早く私に寄越しなさいよ!」

キョロキョロと見渡すが、周囲に王の姿はない。

「王様、どこに隠れてるのぉ? もぉ、パンツなら、レミファが作ってあげるから、出てきてよぉー」

「うがうがー(おいらとおそろいのカッコいいパンツだじょー)」

それを聞いていたムトはひとり、首をかしげた。

「おっかしいなー。あの王様って、真っ裸バンザイなキャラじゃなかったか? 腰布がはずれたくらいで、隠れたりはしないんじゃないか?」

「それもそうねー」
と、納得したレミファは、疑問形を追加した。
「だったら、どうして姿が見えないの?」

「うーん。もしかして、俺たちをぱへリゾートに入れるのが惜しくなった?
ほら、なんだかんだいっても、最後のピンチを救ったのは、王様の魔玉なんだし」

「ええー? そんなセコい考えかた、ありぃ?」

「うううがー!」

3人が足を止めてワヤワヤしている間にも、光邦は瓦礫をかき分けて王様を探していた。

「ケツキング、出ていらっしゃーい」
10 「あら。ここ、なにかしら?」

瓦礫の下に小さな空間を見つけた光邦は、ズイッと顔面を入れてなかを覗く。

そこは、ろうそくの炎が照らす十字架がかかった小綺麗な部屋。
赤い絨毯が敷かれ、隅にはふかふかのベッドが設置されていた。

光邦に気づいた部屋の住人が、口を開く。

「おおっ! 城が崩れたと思ったら、いつのまにかこんな立派な教会が! きっと、神のお導きですね。

生きとし生けるものは、みな、神の子。わが教会にどんなご用かな?」

城が崩れた大惨事を数行でクリアした神父は、通常業務にとりかかった。
11 「いい男、みーっけ!
ご用ってほどでもないんだけど私、ちょっとご休憩したいなって思ってるのよ」

教会の絨毯上に躍りでた光邦は、神父に向けてバサッとウインクを放つ。

そんな光邦に対して、ポーカーフェイスの神父は、分厚い書物を手に掲げて返事をした。

「では、神の前に、これまでのおこないを告白なさい。そして、この冒険の書に記録してもよろしいかな?」

どうやら神父は、ご休憩をご休息(ゲームの中断)と読み取ったらしい。

「なんですって? 愛の告白から?
体よりもまず言葉で愛を求めるタイプなのね」

そこで、光邦はコンパクトを取りだし、手早く化粧を直す。
そして、ツケマを揺らしながら言った。

「初めて出会ったときから私、あなたのことが……やだ、なんだか照れるわね。
それに、近くで見ると、ますますいい男。

ねぇ、神父さん。もう私、焦らされてどうにかなりそうなの。ね、いいでしょ?
告白は、ベッドのなかで思う存分、刻んであげるから。愛は急げよ、さあ、行きましょう!」

息を荒げた光邦は、何も言われないうちに神父の肩をがっしりとつかみ、教会の隅、ふかふかベッドを目指して進んでいった。
12 「まあっ、なんて素敵なベッドなの」

光邦は、ベッドをひと撫でした。
途端、ふかふかしていたベッドが8個ほどの欠片に分かれて、それぞれがすばしっこく動き出した。

「なっ、なんなんなんなん~っ!?」

ふかふかベッドの欠片は、ぴょんぴょんと跳ねまわる。

「い、いかん。ハムモンを早く捕まえないと。合体してキングハムモンになってしまうぞ!」

それまで平然としていた神父が、まごまごと焦りだす。

「え? キング?」

「キングハムモン。正式名称は、キングハムスターモンスターじゃ。大きなハムスターの怪物じゃ」

光邦がベッドだと思っていたものは、小さなハムスターのような毛並みをしたモンスターの集まりだった。
それらが合体すると、大きなキングハムスターモンスターになるという。

「そのまんまのテキトーなネーミングね。その命名者、名前を考えてる途中で眠くなったんでしょ!」

「そんな悠長なことを言ってる場合ではないぞよ。ほれ、あわわわわわ……」

ハムモンは、中央に集まり……

な…なんと、ハムモンたちが……!?
どんどん合体していく!
13 ぺかーーーっ!!!

何も見えなくなるほどの眩しい光!
ハムモンたちはついに光邦を取り囲み、そのまま光邦と合体した。

「あ゛あああああぁぁぁぁぁぁあああ゛あ゛ぁ!!」

雄叫びをあげる光邦。戸惑う神父。
どんどん増殖するハムモンとハムモンとキングハムモン。
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