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【リレー小説】ゾンビ編


皆様、リレー小説をしませんか?

お題は「ゾンビ」です。


(ルール)

★どなたでも参加OK。
★初めましてなどの挨拶は無用。
★前の人の文章を読んで話を繋げる。
★順番は決まってないので被った場合は、先に書いた人の文章を優先する。それかうまいこと繋げる。



リレー小説についての雑談は【気分屋さんの雑談】の方にお願いします☆

ご参加お待ちしております\(^o^)/





12 「お〜、まい……がぁ〜」 


 青白い男は、硬直したまま膝から崩れおちた。


「トドメだこの!!」


 拓也が母親のパンツを、男の顔に押し当てた。


「おぅ!! 固形の洗濯石鹸のにほい〜!!」


 何となく、平仮名と漢字に聞こえたが、これがこいつの悲鳴のようだ。


 だが、見た感じ、この男は外にいるような、怪物じゃなさそうだ。


 美幸が顔をしかめながら、男に近付く。


「拓也……これ、人間だよね? デーブ・スペクターじゃないよね?」


 デーブも人間だと思いますが……。



13
「やばかったな…あともう少しで怪物化するとこだった」


拓也はふうっと額の汗を拭った。


「あの…僕たちこれからどうしたら?」

「とりあえず生存者を探そう。こいつみたいになりかけのやつもだ」

「でも拓也、パンティの数が足りないわ」

「だよな…」


僕はうーんと考えた。


「そういえばうちのクラスのアキラが、パンティを集めてたような…」


14      -午後4時、3年B組-

拓也の同級生、アキラを探しに自分のクラスに戻った一行達。途中の廊下に感染者がいることもなく、3年B組まで無事にたどり着くことが出来た。

  ガラ ガラーー!

        あ、あっ!!

拓也を先頭にして、B組の引戸を開けると驚いた顔をしている。

あてにしていた本人のアキラが、床に倒れていたのだ。よく見れば頭にピンク色のパンティーをかぶり、ズボンとパンツは下ろされている。

教室の電気がついていないせいで、少し薄暗かった。拓也が数歩近寄ると、恐ろしい光景が目に写った。

おい!大変だ、みんな!アキラが死んでいる!

男のシンボルが、喰いちぎられているぞ!


キャーーーー、嘘でしょ!!マジかよ


だ、誰だ!おまえは!こっちを向け!

拓也は教室の中央に立っている、制服を着た女子に命令するように声をかけた。女子が振り返ると、B組のアイドル、真央だということは拓也にはわかった。

ウフフ、アキラ君の望をかなえてあげたのよ、あたしのパンティーをかぶりながら、シックスナインしたいんだって

真央の、手のひらには、アキラのチンコが乗っていた。


15 「ば、化け物だ……」
思わず僕はこう呟く。
教室の真ん中、夕陽に照らされた彼女は間違いなく人ならざる者に見えて――。
「……」
恐怖に思考が停止する。身体も凍りついている中、僕の隣に居た美幸が言葉を吐いた。
「違うわ、あれは人間よ」
16 山田美幸は落ち着いて、淡々と語り始めた。

ここの3年B組まで、すてにウィルスがまん延していたのよ

滝繁先生から、ウィルスについて簡単に説明を受けているけど、なんでも空気感染もするそうなの

二人は空気感染をして、脳死する少し手前なのよ

大脳が麻痺して、理性を失った、ゾンビになる手前ってこと、本能がままに行動するってやつ

 本能がままって!?どういうことなんだ?

それはね、食べることと、性欲を満たすことよ

    女だって性欲はあるからね


や、やべーな、これじゃ、パンティーの補充はもう無理だな!

   どうすればいい!美幸!?

美幸の隣にいた拓也が、これからの行動の決断を求めた。


生物化学室に戻りましょう!私達の身体は抗ウィルス剤で、守られているんだら噛まれでもしない限り平気よ、

それに滝繁先生は、生物化学室の保管庫で
厳重にウィルスを保管していたはず、

何者かが電子ロックされている保管庫の鍵を開けて、盗み出したに違いないわ

よーし!わかった美幸、生物化学室に行けば
    謎が解けそうだな






17

「はいはい、カット! カットぉー!」


その時、背後で激しく怒鳴る声がした。
振り返ると、眩しいライトが僕を照らした。


「だめだめ、恭平くん! もっと恐ろしい顔をしないと! 表情がずっと固いよ!」

「はあ…すみません」


僕はサングラスをかけ、髭を生やした男に謝った。
彼は映画の監督だった。
そう─実は今、ゾンビ映画の撮影中なのだ。
来年の春に『ちょっと大人・オブ・ザ・デッド』というタイトルで、ホラー×コメディの映画が公開されることになっている。


18 監督!先生はまだ到着してないんですか!?

映画監督のカット!の声の後、手のひらにチンコを乗せた真央が叫んだ。

は、早く手術をしないとアキラが死んじゃう!

実はアキラと真央は現役高校生でありながら、生涯死ぬまで一緒よと。結婚する約束をしていた。

アキラは映画監督から、竿をゾンビ女に喰いちぎられるシーンを了解してくれれば高額の出演料金を支払う契約をしていた。そうアキラは命がけで演技をしていたのだ。

映画監督が怒鳴りつけるのも、自然なことだったのだ。

  監督!茶髪の先生が到着しました!


おお、着たか!茶髪の先生!

   ブラウンジャック先生!

ブラウンジャック先生は、無免許のお医者さん。
天才外科医で、そのメスさばきは神業とされていた。

チンコをくっつける手術ぐらいは、朝飯前のことだった。

  監督さん!あんたも相当の悪党だな!

 私の手術料は高いぞ!現金で5000万だ!


3年A組 簡易手術室

先生、必ずアキラを助けてください

  あんたこの男と、将来結婚するそうだな

  フフ、では手術中は彼の手を握って
    もらえるかな






19 「ウガァッ」

アキラが唸りながら上半身を起こした。

「アキラ!寝てなくちゃダメよ!今からしゅ」

…手術、と言いたかったのだろう。しかし真央は、最後まで言葉を発することが出来なかった。何故なら、アキラに喉を喰いちぎられたからだ。

「アキラ君?!今はカメラ回ってないから、とにかく早く手術を…」

監督がアキラに声をかけるが、アキラは虚ろな目で唸るばかり。

「こっ…これは!!演技じゃない!本物の化け物だ!みんな逃げろっ!!」

ブラウンジャック先生が後ずさりながら叫ぶ。

パリーーーン!

教室の窓を破ってブラウンジャックが飛び降りた。
20
「キャー!」
「逃げろ!!」


みんなパニックになり、一斉に教室から飛び出した。ブラウンジャック先生の後を追って、窓から飛び降りた人もいる。が、突如あちこちから悲鳴があがった。


「やばい! こっちにも化け物が──!!」


唸る声があちこちから聞こえてくる。
僕の目の前にいる、アキラや真央からも…。


「…ふ、あは、アハハハハハ!!」


突然、隣にいた監督が笑い始めた。


21 「……嗚呼、そうだやはりこうでなくては!」
笑い声をあげた監督は、椅子に脚を組み直し、眼の前で起きている悲劇を楽しげに――そして愉悦でも感じているような目で傍観している。
「か、監督はやく救急車を――」
「無駄だ。呼んだところで助かりはしない」
「そんな」
「良いから悲鳴をあげろ。恐れろよ。
――演技の時間だ」
指示を出す監督はそこに居る化け物よりも恐ろしく感じた。
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