短編集
第14章 『越冬ツバメ』
さくらクリーニングでは、私はやよいさんの遠い親戚ということになった。
その方がいろいろ都合が良かったからだ。
町の人達はやよいさんの親戚ということで、余所者の私を快く受け入れてくれた。
私はやよいさんに習いながらクリーニングの仕事を覚えていった。
始めは難しかったけれど、段々、アイロンを掛ける手際も良くなった。
生地に合った温度で丁寧かつ素早く仕上げていく。
ワイシャツ1枚でも、クリーニングをした服を着るお客さんの気持ちになって仕事をしなさい、とやよいさんに教えられている。
確かに真っ白に洗われて糊がかかってシワのないシャツを見ると気持ちがいい。
いい仕事ができたな、このシャツを着ていい仕事をしてね、とか思ってしまう。
クリーニング店で働くなんて、初めてのことだし、これまで働くなんて夢にも思わなかった。
けれども、私は案外、この仕事に向いているのかもしれない。
疲れた顔をして汚れた服を出すお客さんに、出来上がったキレイな服を手渡すと、お客さんの顔が少しだけ和やかになる。
「ありがとう」
その言葉で、私も救われたような気がしていた。
その方がいろいろ都合が良かったからだ。
町の人達はやよいさんの親戚ということで、余所者の私を快く受け入れてくれた。
私はやよいさんに習いながらクリーニングの仕事を覚えていった。
始めは難しかったけれど、段々、アイロンを掛ける手際も良くなった。
生地に合った温度で丁寧かつ素早く仕上げていく。
ワイシャツ1枚でも、クリーニングをした服を着るお客さんの気持ちになって仕事をしなさい、とやよいさんに教えられている。
確かに真っ白に洗われて糊がかかってシワのないシャツを見ると気持ちがいい。
いい仕事ができたな、このシャツを着ていい仕事をしてね、とか思ってしまう。
クリーニング店で働くなんて、初めてのことだし、これまで働くなんて夢にも思わなかった。
けれども、私は案外、この仕事に向いているのかもしれない。
疲れた顔をして汚れた服を出すお客さんに、出来上がったキレイな服を手渡すと、お客さんの顔が少しだけ和やかになる。
「ありがとう」
その言葉で、私も救われたような気がしていた。