ホストクラブの罠(不良総受け)
第3章 危険な香り
タバコの煙をまとった透吾の舌が、俺の唇をこじ開けて口内に侵入してくる。
―――――なにっ!?―――――
自分に起こっている事態がいまだに飲み込めない。
「ん、ンンンっ!!」
俺は苦しさから必死にもがく。
だが、抵抗も虚しく口内は犯されていく。
どのくらいそうしていたのか、それさえわからないほど。
俺の頭は朦朧としていた。
少し酸欠状態だったのかもしれない。
透吾の唇が離れていくと、俺は大きく息を吸った。
「あ、はぁ、はぁ、はぁ」
息苦しさから涙目になっているだろうが、そんなの関係なく俺は透吾をきつく睨みつけた。
「なに・・すんだこの変態野郎!」
「おいおい。まさかとは思うが・・お前キス初めてか?」
「なっ!!!」
痛いところを突かれた。
そう・・・
俺はセックスどころかキスも初めてで・・・。
いや、
キス自体はある。
中学校の時に付き合っていた女とかるーい、本当に軽いキスは済ませている。
だけど・・・
こんな濃厚なのは初めてだった。
「息の仕方もわからなかったようだな。キスしてる時は鼻で息するんだ。わかったか?」
「うるせー!キス位したことあるわ!!今のは・・お前の突拍子もない行動にあっけにとられてたんだよ!!」
「威勢がいいな。
どうやら、もっと教育されたいらしい。ククッ」
俺を見ながらまた笑う透吾。
なんだよこいつ、マジやべぇ人種?
さすがの俺でも怖いと思った。