ホストクラブの罠(不良総受け)
第12章 大和の戦略
――※大和視点※――
久しぶりに触れた唇・・・
柔らかくて、少しお酒の味がして・・・
だけど甘くて・・・
口内に流れ込んできた瑠希さんの吐息に、思わず欲情してしまった。
指先を絡める。
今・・・・
瑠希さんは俺を見てる。
俺だけを見てる。
「大和、この手はなんだよ!?
さっさと離せ!!」
「瑠希さん・・・もう一回だけ・・・消毒させてください・・・」
「なっ、おま、何言ってんだよバカ!!」
「諦める努力はするとは言いましたけど・・・好きでもない透吾さんとキスしてる瑠希さんを見るのは辛かった・・・。
俺・・・・傷ついてんっすよ?」
瑠希さんの性格なんてわかりきってる。
瑠希さんは弱ってる奴みたらほっとけない人だし、傷ついてる奴みたら助けるタイプの人。
つまり
優しい。
「べ、べつに俺だって好きでしたわけじゃねぇし・・・
透吾が無理やり・・・」
「それでも・・・俺は傷ついた。」
しょんぼりと見つめると、ちょっと困った顔で瑠希さんは言った。
「消毒・・・って・・・何すんの?」
「さっきの以外に・・・あります?」
「あんなの消毒じゃねぇし・・・
それに・・ハズいし・・・
好きでもねぇやつと、そんなんすんのっておかし・・・
あっ・・
わりぃ・・・」
あぁ・・・
今の本気でグサッと来た。
『好きでもない奴』に俺は入ってる・・・。