
ホストクラブの罠(不良総受け)
第13章 透吾vs大和
あの瑠希さんが、涙を流しながら泣いた。
それは俺にとっては有り得ない事で
俺は思わず口をパクパクさせていた。
「瑠希さ……あ、あの……」
そっと腕を掴んで
俺は倒された身体を起こした。
「ばかぁ……好きとか……わかんね、もっ、やらっ……」
駄々っ子みたいな瑠希さん。
そうとう酔っているようで
顔は赤く息も荒い。
いつもはお酒が入ってもここまで乱れる事はないのに……
まるで
あの時の
あの
一度だけ抱いた夜を思い出してしまう。
ヤバイ
「瑠希さん、とりあえず家に送りますから、立てますか?」
「ん~かえんね~の!
まら、のむ……忘れるんらから!
恭平の……ばかぁ……あほ……しんね、も、しんね~かんなぁ!」
恭平?
恭平さん?
好きとか、知らねぇとか
恭平さんの事言ってたのか??
