ホストクラブの罠(不良総受け)
第3章 危険な香り
その時だった。
「瑠希さん?」
不意に背後から名前を呼ばれ俺は後ろを振り向いた。
そこには見慣れた顔の人物がいた。
茶色の天パに甘いマスク。極上の笑顔をまといそいつは立っていた。
「や、大和!?」
俺が初代総長をやっていたチームの2代目。
俺の後輩で信頼のおける唯一の存在だった大和。
「瑠希さん!!やっぱり!なんでこんなところにいるんすか?」
「大和こそ・・・・」
「自分はこの店でバイトしてるんっすよ!すげー久しぶりっすね〜!」
柔らかな笑顔の大和は、俺に近寄りながらそう言ったかと思うと、急に何かを思い出したように顔を曇らせた。
「大和、どした?」
「自分、瑠希さんに謝らなきゃなんねぇ事があって・・・・
瑠希さんの作ったチーム・・・自分の代で潰しちまって・・・・
マジで・・・すんません!!」
ペコリと頭を下げながら謝ってくる大和に、俺は笑顔を向けてやる。