ホストクラブの罠(不良総受け)
第3章 危険な香り
「気にすんな。たいしたことじゃねぇ!」
「でも!!!」
「俺がいいって言ってんだから。な?
あと、その言葉使いもやめろよ。ここじゃお前の方が先輩だろ?
『自分』とか使うな。
『俺』でいい。
わかったな?」
フッと優しく笑ってやると大和は安心したようにもう一度頭を下げた。
「話中に悪いけど、透吾さんが呼んでるぞ。」
大和との会話を遮るように恭平が入り口を指差す。
「ゲッ!!」
あからさまに嫌な顔をしている俺をみながらも透吾はずかずかと歩み寄ってくる。
「瑠希、とりあえず接客の事を一通り教えてやるから、こっちへこい。」
俺の腕を掴みながらズルズルと強引に引っ張る透吾に逆らえず、俺はただなすがままになっていた。