ホストクラブの罠(不良総受け)
第4章 戸惑い
※続けて恭平視点※
ボスッ―――――
突然背中に触れる体温。
後ろを振り向くと、俺の背中に瑠希が顔を埋めていた。
「どした?」
「わり・・・ちょっと・・
足に、力が・・入んなくて・・
すぐよけるから・・」
赤い顔をした瑠希は慌てて俺の背中から離れてしまった。
フラフラと足元がおぼつかない瑠希は見てるだけで危なかしくって・・・
俺はするりと手を伸ばし、瑠希の肩を引き寄せた。
一瞬びくりと震えた肩が、すぐに安心したように俺にもたれ掛かってくる。
潤んだ瞳が妙に妖艶で、まるで誘われている気分になる。
もちろん、瑠希はそんなつもりはないのだろう。
透吾さんに飲まされたであろう薬で、昨日同様身体が火照って仕方ないのだろう。
「寄っかかってろ。」
俺がそう言ってやると
「わりぃ・・・」
という瑠希の小さな声が聞こえた。
会ってまだ2日目だけど、ストレートでわかりやすすぎるその性格。
こいつの性格なら、今まで他人に頼ることなんて無かっただろうな。
きっと俺に頼るのなんか死ぬほど嫌だろう。
コツコツと2人の足音が響く廊下で、俺はそんなことを思っていた。