ホストクラブの罠(不良総受け)
第7章 たった一言
――※瑠希視点※――
朝、携帯のバイブ音で目が覚めた。
『今、電話していいですか?』
そんなメールが送られてきた。
送り主は大和だ。
眠りについたばかりだった俺は、眠い目を擦りながら、大和へ電話をかけた。
3度目のコールで大和がでた。
久しぶりに聞く大和の声。
「瑠希さん・・・」
コレがあの大和の声か?
しゃがれた声に一瞬そう思った。
「よぉ・・・元気かよ。」
「はい・・・・
瑠希さん・・・・っ・・・く・・」
大和が泣いているのがわかった。
必死に声を押し殺して、小さな嗚咽を漏らしながら。
「大和。もう怒ってねぇから。
だから、店出てこい。
皆、心配してんぞ。」
「ッ・・でも・・・俺・・
瑠希さんに酷い事・・・」
「忘れろ。」
「え・・・?」
「あの日あった事、全部忘れろ。
あんなのたいしたことじゃねぇよ。
俺も忘れる。
だからお前も忘れろ。」
「でも!!」
「俺がいいって言ってんだ。文句ねぇだろ!ちいせぇ事なんて気にすんな!!」
ブツッ―――――
俺はそのまま電話を切った。
明日、
大和は来るだろうか・・・?