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第6章 熱意と決意


教室に戻ると、行列とは別に人集りができていた。


「なんだ?」


オレと木下は人混みをかき分け、中に入っていく。



「あ、坂本ぉ~!!」



クラスメイトの男子が泣きついてきた。



「は?どうしたん…」

「だーかーらぁ、俺は五千円札出したって言ってんだろうが!」



その時教室の真ん中辺りから、男の怒鳴り声が響いた。

よく見ると、ギターケースを背負った数人の男たちが、レジ周りを取り囲んでいる。



「あの人たち、会計の時に千円札出してたのに、五千円札出したからお釣りが足りないって言いだしてさ…」

「え、金銭トラブル? でも確かに千円札だったんだよな?」

「うん、でも先にレジに閉まっちゃったから、証拠がないんだよ…」

「先生は?」

「さっき呼んだけどまだ来てないんだ…」

「…」



オレはキッと男たちの方を見据えた。



ここは、実行委員のオレがなんとかしなければっ…!



そう思い、彼らに近づいて行った。




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