 
359°
第6章 熱意と決意
トサッ…
その時、よろけたオレの身体を誰かが支えてくれる。
「…大丈夫?」
一瞬、ふわりといい匂いがした。
「あ…」
オレを支えてくれたのは、なんと高藤さんだった。
「お客様」
そしてスッとオレたちの前に、コック姿の男性が現れる。
菅生さん…!
「こちらのミスでご迷惑をおかけして、大変申し訳ございませんでした」
そう丁寧に言うと、菅生さんは深く頭を下げた。
「こちらはお詫びのクッキーと、お返しのお釣りでございます」
丁寧に差し出すと、男はフンと鼻をならしながら受け取る。
「最初からそうしてりゃいいんだよ…手間とらせやがって…」
そう吐き捨てると、男は教室を出て行った。
続いてその仲間も、ニヤニヤしながら出て行く。
「…」
オレは納得いかず、男たちを睨んだ。
 
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