359°
第6章 熱意と決意
教室を飛び出して、オレはトイレに逃げ込んだ。
洗面所の鏡で、自分の顔を見てみる。
「マジ…耳まで真っ赤じゃん…」
こんな姿を見られたのかと思うと、もっと恥ずかしくなった。
水道の蛇口をひねって、顔を洗う。
「ふー…」
それでもオレの心臓はまだドキドキしていた。
ああっ、もう…
何考えてんだよ…
高藤さんは男なんだぞ?
なんで触られただけで動揺するんだよ…
オレは自分を落ち着かせるために、人気のない方に歩き始めた。
3階の奥の方に行くと人もまばらになり
、オレはホッとする。
「…ん?」
その時微かに、どこからか音が聞こえてきた。
それはどうやら、視聴覚室から響いているようだった。
オレはそっとドアを開けてみる。