359°
第6章 熱意と決意
「あ…」
オレはつい声を漏らした。
音を奏でていたのは蒼士だった。
真ん中辺りの椅子に座って、蒼士は夢中でギターを弾いていた。
オレの気配には全く気付いていない。
蒼士は左手の指で弦を交互に押さえ、右手はピックで弦を弾いていた。
アンプがないから、音はそんなに響いてない。
だけど楽器のことわからないオレでもわかる、
弾いてる曲は多分、かなり速い曲だ。
すごい速さで指がしなやかに動いて、オレはその姿に圧倒された。
蒼士…
上から目線でむかつく奴だけど、
ギター弾いてる姿は
かっこいいよな…
オレはしばらく見入ってしまった。
その時。