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第6章 熱意と決意


蒼士は無言で、弦の張り替え作業を始めた。



オレはなんとなく興味が沸いてきて、蒼士の斜め後ろの席に座る。



一瞬チラッとこっちを見たが、蒼士は気にせず作業を続けた。




「…弦って、よく切れるもんなの?」




何気なしに質問してみる。




「…メーカーにもよる。あとは新品は意外と切れやすい」




無愛想だが質問に答えてくれた蒼士に、オレは少しホッとした。




「このギターの名前なんていうん?」

「フェンダーのストラトキャスター」

「いくらした?」

「15万」

「15万!?自分で買ったの!?」

「当たり前だ」



オレは「はぁ~」と感嘆した。





だからバイトしてんだな…

15万って、すげぇよ…





オレはギターケースの中から少し見えていた、もう一つのギターに目がいった。



「それは?」






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