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第6章 熱意と決意


オレが指を差すと、蒼士は作業をやめて、中途半端だったギターケースのチャックを下に降ろした。


中からワインレッドの色をしたギターを取り出す。




「これは、ギブソンのレスポール…」




そう言うと、蒼士の表情がふっと柔らかくなった。




「…叔父さんの形見だ」




そして優しい瞳でそれを見つめる蒼士。




「…形見…?」



「ああ、僕にギターを教えてくれたのは叔父さんなんだ」



そう言って蒼士はギターをジッと見つめた後、ピックで弦を優しく弾いた。



奏でる音も、不思議と優しい音色に聞こえてくる。





「…」





いつも上から目線で人を寄せ付けないオーラを纏ってる蒼士、

そんな優しい表情をするなんて…




オレは初めて本当の蒼士の姿を、垣間見たような気がした。







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