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第6章 熱意と決意



そしてついに、メインイベントの時間がやってきた。

時刻は午後2時。



「お客さん、一気に引いたね」



周りを見渡しながら、木下が言った。

オレは壁に掛けられた時計を見上げる。




数分前、菅生さんは制服を脱いで会場に向かった。

その時にかけられた言葉は…


「卓、絶対見に来いよ」


って。




正直、嬉しかった。




菅生さんにも高藤さんにも、必要とされてる気がして…

そして、オレに違う面を見せてくれた蒼士も…



一緒に歌えなくても、彼らの演奏をそばで聴いてもいいんだって思った。





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