359°
第6章 熱意と決意
その時、廊下で女の子たちの笑い声がした。
ガラッと教室のドアが開く。
「すみませぇ~ん、もう完売しちゃったんですかぁ?」
他校の制服を着た少女たちが、ぞろぞろと教室内に入ってきた。
オレは瞬間ドキッとする。
ギターケースを背負った女の子が2人いて、オレは彼女たちがもう歌い終わった後なのだと察知した。
「ごめんなさいね、さっき完売しちゃったの。紅茶ならありますけど、どうされますか?」
「喉乾いたし、じゃあ紅茶5つお願いしま~す♪」
そう言って少女たちは、ガヤガヤと椅子に座った。
「あ~めっちゃ緊張したよね~」
「あんな大勢のお客さんの前で歌ったことなかったしね~」
「でも楽しかった!てかさ、3番目のバンド、めっちゃうまかったよね!」
やっぱり、バンドバトルに参加してきたんだ…
オレはまた時計を見上げた。
時刻は3時過ぎ…
今何番目くらいだ?
片付けしてたら、間に合わねぇか?