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第6章 熱意と決意
「あなたたちもバンドバトルに参加したの?」
店員さんが、紅茶を運びながら少女たちに話しかける。
「はい!私たち、『reporer(ルポゼ)』っていうバンド名で参加してきましたぁ。良かったらお姉さん、うちらに清き一票を!」
「ちょっと、あさ。聴いてもらってないのにそれは図々しいでしょ」
『reporer』か…。
オレは蒼士からもらった、順番リストをポケットから取り出した。
①人間椅子
②たま
③DIAMOND CRAW
④博多小町
⑤ELECTRICAL STORM
⑥moon rabbit
⑦刑事とBG
⑧ネピネピ
⑨reporer
⑩spider
⑪Bronze
⑫REAL AND GLAY
げっ…
もうすぐじゃん!!
オレは勢い良く椅子から立ち上がった。
その音で皆の視線を浴びる。
「…坂本くん、片付けはいいから行っておいで」
「すみませんっ…!!」
店員さんの言葉が言い終わらないうちに、オレは叫びながら教室を飛び出した。