359°
第6章 熱意と決意
廊下を走ってる途中、携帯が震えた。
立ち止まり確認すると、順平からのメールだった。
《どこにいる?》
「は?どこにいるって…」
お前こそ、
朝から姿現さないでどこにいんだよ!!
ちゃんと会場にいるんだろうな?
そんな疑問を持ちつつ、オレは「今向かってる」とだけ送信してまた走り出した。
会場の体育館に近付けば近付くほど、演奏と歓声が聞こえてくる。
オレの胸はドキドキと高鳴っていた。
体育館のドアを開けると、真っ先に飛び込んできたのは耳をつんざく黄色い声援と、激しい演奏の音だった。
照明が落とされた真っ暗闇の中、ステージにだけスポットライトが落ちている。
そのライトは演奏に合わせ、赤・黄・緑・青に変化していった。
体育館は完全にライブハウスと化していた。