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第6章 熱意と決意



オレの携帯が再び震える。

ディスプレイを見ると、また順平からメールが入ってきた。



《最前列に来い》




はあっ!?
なんで命令…




仕方なしにオレは人の合間を縫って、最前列に向かって歩き出した。

盛り上がってるのは前の方だけで、後ろの方はボーッと見てる人が多い。


オレはふと、ステージを見上げた。
どこかで見たことのある顔に、記憶をさかのぼってみる。




あっ…
あいつらじゃん!

さっき、『アリスの森』でいちゃもんつけてきた…




「まあまあだなー」


演奏が響く中、誰かの声が微かに聞こえてきた。


「ボーカルがいまいち」




確かに…

ちょっと音程外れてるかも…



でも順平よりは全然マシだw






「あ、卓也くん見っけ!!」

「!?」



自分を呼ぶ声がしたかと思うと、急に腕をグイッと引っ張られた。





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