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第6章 熱意と決意



その時ステージの上で、軽くドラムを叩く音が響いた。


ステージの照明はうっすらと付いており、菅生さんたちがチューニングをしているのが見える。


だけど、順平の姿だけどこにも見当たらない。





「順平?あいつどこに…」



ステージの袖にでもいるのか?

そう思った矢先、後ろからポンと肩を叩かれた。




「順平!?」




振り返るとそこにはなぜか、マジックで書きましたみたいな×印のついたマスクをかけた順平が、真顔で立っていた。




「お、おまっ…こんな所で何やってんだよ!?」




眼球が飛び出るほど驚きながらそう言うと、順平はマスクを下にずらした。




「わり、卓也。オレ風邪ひいちゃって歌えねーんだわ。だから、代わりに歌ってくんね?」


そう言いながら、可愛らしく首を傾げる順平。




「……はああああああ!?」



オレの素っ頓狂な声が辺りに響いた。






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