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第6章 熱意と決意






《お~い、卓ぅ~まだかぁ?》





その時、めちゃくちゃだるそうな菅生さんの声がマイクを通して響いてきた。



また会場がざわめく。




「…っ」





オレはバッとステージを見上げた。

菅生さんとばっちり目が合う。





《…早く来いよ、卓。REAL AND GLAYはおめぇじゃねーと、始まんねーんだよ》





そう言って菅生さんは、人差し指をクイクイ動かしながらニカッと笑った。





「え…」




続いて高藤さんとも目が合う。

真っ直ぐ見つめられた後、優しくフッと微笑まれた。



対照的に蒼士は、相変わらず挑発的な瞳でオレを見下ろしている。






「…あ…」





オレは口元に手を添えた。






もしかしてオレ…

はめられた??





最初からオレに歌わせるために、こんなこと…







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