359°
第9章 funky&crazy
その時、静かにスタジオの扉が開く。
「悪い、遅れた」
REAL AND GLAYのリーダー、高藤拓哉が少々息を乱しながらスーツ姿のまま現れた。
「お~お疲れ~」
「お疲れ様です、残業ですか?」
「ああ、すまない。すぐに始めようか」
そう言うと拓哉は、上着を脱ぎネクタイを緩める。
ふと、卓也と目が合った。
「…っ…」
目が合った卓也はドキッとして、慌てて目をそらす。
(うわっ…オレ、露骨に態度出しすぎ!!)
「…卓也くん、今日はゆっくりできたかな?」
「えっ…あ、はい…///」
少し顔を上げると、穏やかな表情をした拓哉が自分を見つめていた。