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第9章 funky&crazy



そんな姿を奇怪な物でも見るかのように、二度見する蒼士。



(やっぱり馬鹿の考えることはわからん…)



蒼士はアンプをONにして、ギターをかき鳴らし始めた。



一方スタジオのロビーでは、龍がハイスピードで煙草をふかしていた。



「…マジやったのかよ?」



龍の問いに、プッと吹き出す拓哉。



「下品だな、俺はそんなに飢えてないよ」

「じゃあ、あの卓也の態度はなんだ?」

「ああ…」



拓哉は煙草の煙から逃げるように、ソファーに腰を下ろす。



「…彼が偶然ユキの遺書を見つけてしまって…」

「!」

「泣かせてしまった…」

「なんで、あいつが泣くんだよ」

「わからないよ…でも俺はつい彼を抱きしめてしまった」

「…」

「だから、戸惑ってるのかもしれないな」



クスッと拓哉は苦笑する。







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