359°
第9章 funky&crazy
キラキラとした瞳で見つめられて、卓也はドギマギする。
(あれっ…木下ってこんなに積極的だったっけ…?)
卓也は言葉を濁しながら、歩を進めた。
木下ひろみも当たり前のように、卓也の隣に並んで歩く。
(なんか…やっぱり木下、オレのこと好きだよな?
うん、間違いない。
さすがの鈍感なオレでもわかるw
木下のことは嫌いじゃない。
可愛いし、女の子だし…そう、念願の女の子なのに!!
これ、めっちゃチャンスなのに!!
脱DTできるかもしれないのに!!
なんか…違うんだよなぁ)
複雑な想いを抱きながら視聴覚室に着くと、黄色い声援が飛んできた。
「きゃー!!」
卓也はギクッとした。
小松たちを囲んで、複数の女子生徒たちが所狭しと並んでいたのだ。